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狭間外交

 2008-08-25
先日中国へと出発したプラチャンダ首相の中国訪問が日本の報道機関にまで注目されている。
いかんせん「反中国活動は許さない」と発言をしたらしい。
ネパールではこのような意味合いで強調されて報道されていないみたいだが、
これはネパールにおけるチベット解放運動を弾圧する意味なのか・・・
プラチャンダ首相が帰国してどのような政策を展開するか、
みてみないとわからない。

ネパールにおけるチベット難民は約5万人を超すとも言われている。
位置的にもチベット問題を考えるとネパールにいる大量のチベット難民は中国にとって脅威だ。
このような状態で、中国にとってはプラチャンダ首相の「一つの中国」政策への同意が心強かったのだろう。これの見返りに援助や投資の約束をとりつけたようだ。

一方でインドはプラチャンダ首相の中国訪問にかなり怒っているようだ。過去では首相就任後誰もが初訪問国としてインドを選んでいた。しかし、プラチャンダ首相はその伝統を破ったことになる。過去ではインドの言うがままになり過ぎたと批判されているネパールの政治家なので、プラチャンダ首相の中国訪問をある程度評価している報道機関もある。

両国を重点においた外交政策を実施すると公言はしているものの過去ではインド中心の外交だった。今回は共産党主導の政権ということで中国中心かというようなスタートだが、首相が帰国後弾圧政策を行ったら国際社会から孤立するのに違いない。
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新内閣について

 2008-09-03
漸く始動した新内閣、
各閣僚は仕事を始めているようだ。
内務大臣のバムデブ・ガウタム氏は
6ヶ月以内に国内全土の治安を安定させると名言している。
ヤダブ外務大臣はインド外遊を終え帰国。
マハト供給大臣は原油の供給を増やすよう交渉中だとか。
などなど・・・
メディアで報道されている大臣もいれば
現時点で何をしているかわからない大臣もいる。
(紙媒体でどのように報道されているかわからない。)

しかし、気になることが2点。
1.過去に問題を起こしている閣僚がそのまま現内閣にいる。それは汚職家として知られている閣僚だったり、前コイララ内閣ですでに閣僚になり問題を起こしている大臣(官僚と喧嘩、親戚一同に就職させるなど)であったりする。

2.もともと大臣のポストは21のみだったが、連立政権の樹立にあたり各政党を満足させるためだけに24まで拡張されている。新たにできた省庁ではすでにどの業務を行えばいいのか困難が起きているとか。官僚のだれがどこで働くのかも未定、どの業務を行うのかも未定。また、お互いの業務が重複している。例えば、もともとあった企業・商業・供給省が企業省と商業・供給省、教育・若者・スポーツ省が教育省と若者・スポーツ省に分離されている。明らかに、業務が重複する。もともと、各省庁の連携が悪いと評価されるネパールの省庁がさらに分離することでまたしても困難が生じることが予想できる。

現内閣の主な目的は新憲法を制定することだが、
新憲法が制定されるまでの2年間しっかりと国民の需要に応えることができるか、
この2点を考えれば少し疑問に残る。

政治と若者

 2008-09-09
政党にとって若者は大きな原動力だ。
日本においては一部の大学内組織を除き
近年政治運動をする若者は非常に少ないが、
ネパールにおいて公立大学は「勉強」というよりも
政治活動の場であると言っても過言ではない。
(この状況を受け都心部を中心に中産階級以上を
対象とする私立大学が劇的に普及している。)
各政党は自党の傘下に学生組織を持っている。

マオイストが政治の表舞台に登場をしてから
若者の政治参加が大きく変貌している。
以前は単なる大学内の政治活動に留まっていたものが
近年青年組織として幅広く社会全体に広まったのである。

近年問題にもなっているのは主にマオイストの
青年組織Young Communist LeagueーYCL(若手コミュニスト連盟)だが、
先日のネパール統一共産党の中央委員会では青年組織
Youth ForceーYF(若い力)を強化することを決め
二つの強力な左派若手組織がネパールに存在する。
そして、残念なことに両組織とも左翼でありながら頻繁に衝突している。
設立当初から新聞等を賑わしているとは前者であるが、
後者はどちらかというと前者を真似たものだとよく批判されている。

設立当初は汚職を含め犯罪の取り締まりや
国の開発関係を貢献するという名目だったが、
積極的な貢献よりも実際には暴力沙汰や
強引な寄付要求で批判されることが多いのがYCLの現状だ。
以前の記事にも投稿したのだが、
プラチャンダ首相は約2週間前にYCLの活動規制を宣言しているのだが、
実際は未だ積極的に活動を続けているのが現状だ。

YCL参加者の心境はあまり知らないが、
無職の若者を「国に貢献」するという名目で集めているのは容易に想像がつく。
若者の政治参加はもちろん重要だと思うが、
政党の思い通りにしかなっていないのが現在の若手組織の現状だと思う。
ましてや、「暴力」で得られることなど一瞬の幻想にしかすぎない。

それぞれの「正義」

 2008-09-18
追加情報(9月19日18:00現在):
どうやらマオイストの中央委員会が一連の事件でマトリカ・ヤダブ大臣の謝罪を要求。
それに反発して辞表をプラチャンダ首相に提出した模様。

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「正義」といったら一つしかないように思われるかも知れませんが、
ネパールでおきている一連の闘争をみるとどうやら「正義」は
それぞれ、人によって異なることがはっきりする。

マオイストは元王族の土地(シラハ郡)を占拠し、
不可蝕民(ダリット)や貧困層を定住させた。(マオイストの正義)
わずか3週間前プラチャンダ首相が
占拠土地を返却すると言ったばかりなのに
新たに占拠したということになる。
この行動にはもちろん他党(特にマデシ人権フォラム党)がストなどで猛攻撃、(他党の正義)
警察が不法占拠の立ち退きにいたった。(警察の正義)
しかし、あろうことか土地改革・管理大臣の
マトリカ・ヤダブ氏(マオイスト)が自ら現地に向かい
665b7matrika20yadav.jpg
警察の立ち退きをやめさせ
マオイストの若手組織(YCL)に、警察が壊した小屋の修理をさせたようだ。
また、他党から立ち退きの抑圧を受ければ辞職も辞さないと強気。
どうやらこの方は非常に正義感の強い方らしいが、
やり方を間違えている。
暫定政府にも閣僚だったこの方は汚職したとされる政府高官を
トイレの中に数時間監禁することの騒ぎを起こしている。

ネパールにおけるそれぞれの「正義」の由来:
もちろんそれは無法・無政府地帯と化していることにあると思う。
土地の再分配などはまさに土地改革・管理省がすべきことだが、
どうやら正式な法的な筋道を通して再分配するよりも
マオイストの武力でやった方が早いと大臣は思ったのだろう。
しかし、民主主義では正式な筋道を通さざるを得ないことは
いくら正義感が強くても彼はこのことを勉強しなければならない。

今のネパールの困難の原因はまさにこの「正義」の複雑さにあると個人的思う。
警察が脆弱化している今のネパール社会においては民を守るための組織がいない。
よって犯罪が増える。それに対抗して各政党(だけには限らない)が治安維持の名目で
若手組織を設立することが続いている。しかし、それぞれの「正義」が異なるため互いに衝突し合い
さらに治安を悪化させるという悪循環になっているのだ。
この解決のためにはもちろん民を守るための警察の信頼回復、
政党の若手組織の解体が必要だと思う。

今回のことで連立政権内は歪みが生じ始めている。
プラチャンダ首相が今日帰国することになっているが、
彼の初仕事は政権の連帯を強化すること、
若手組織の早期解体、警察の信頼回復だと思う。

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