選抜の日

 2008-06-23
今日ネパールで学校卒業試験(School Leaving Certificate: SLC)の結果が公開された。この試験は10学年(中学校)を卒業、かつ高校に入学するために大事な試験である。つまりネパールでは最大の選抜機能を持つ試験なのだ。これに6割以上の点数を取らずに将来高所得が得られる理工学系の高校・大学にはいけないし、学歴がすべてになりつつあるネパールではその基礎となる大事な試験なのだ。もう早この試験は子どもの学習度合を確かめる道具ではなく、試験自体が目的となりつつある。

親たちは自分の子どもがこれに合格するように高い私立学校に行かすなり、塾に通わすなりできる限りのことをする。裕福な親は十二分に子どもに良い学習環境を提供することができるが、貧しい家庭は全くその逆の状況が続いている。その結果もSLCの結果に表れており、裕福層が通う少数の私立学校が合格者の8割を示し、貧困層が便りにしている公立は残りの約2割でしかない。教育においても格差が拡大するばかりのネパールなのだ。

昨年からは試験内容を変更してコース内容を少なくしているため、毎年4割ぐらいしかいかない合格率が今年は6割を突破している。確かにコースの内容を減らすことによって合格者は増える、しかし高校進学に必要な基礎的な部分を試験内容から省いていいのか疑問に残る。
それに根本的な問題は、政府によりうまく経営されていない公教育制度と暗記中心の試験制度である。前者のままだとコースを減らしても公教育の質が上がらないし、教科書に書かれている通りの答えを書かなければ満点をもらえない状況では批判的能力が育たない。

新政権下では公教育内の予算配分、教員の雇用・研修形態、経営状況の改善など公教育の質改善のための教育改革、そしてSLC自体も暗記中心な形態から脱皮させる改革が必要だと思う。
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