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「私学の国有化」を求める声

 2009-03-03
5%課税についてはっきりした決着がつかないままのネパールの私立学校だが、(反対する一部がいる中でも)有無を言わさずに納入させられているのが現状のようだ。

それより、気になった記事が。
私学の教員組合から政府に国有化を求める動きがあるようだ。そのため3月6日に全国の私学を閉鎖(スト)する予定だという。職業的保障を求める一巻の活動であるが、現在ネパールで問題である、私学の過剰というほどの商業化、公私間の教育格差是正のためには国有化が必要Himalayan Times)というマオイストの主張を大きく掲げている。(上からの国有化かダメなら下からという陰謀か!?)

このような労働運動の背景には、教員の厳しい労働条件がある。多くの私立学校は公立の初任給より低く教員を雇っており、年金や保険などの福利厚生が充実していることも稀である。また、任用や解雇も雇用者の判断に任せられている。
しかし、だからこそ私学において「質」が保障されていることは忘れてはならない。教員が公務員である公立学校ではよっぽどのことがないかぎり、クビになることはない。一方、私学では子どもの学力向上に貢献しない教師はすぐクビとなる。一方で、その効果が認められる教員は複数の学校間で引っ張りだこにされたり、一つの学校でも公立教員の何倍の給与を得れるのも事実。いわゆる、市場の原理が働くわけだ。
確かに、ネパールのような国では私学において「最低賃金」も守られず教員が酷使されることが問題だが、このような賃金保障の問題から国有化にズレる背景にはやはり政治的な意図を感じる。それが、マオイスト自身なのか、それとも連立政権を率いるマオイストの注意を引くために私学教員組合がわざと設定しているのかである。

過去の記事「私立学校の国有化は可能か!?」でも書いているが、私学の国有化は簡単なものではない。それに、マオイストが主張する「私学の過剰な商業化・公私間の教育格差是正のための国有化」は「出た釘を打つ」というネパール社会の悪い点にしか思えない。私学がいいから「その足を引っ張って」公立のレベルに合わせても全体の向上にはならない。
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「ネパール人」アイデンティティ問題

 2009-03-06
一向に改善の方向性が見えない現ネパール(特に南部)の治安状況。先住民であるタル族(ネパール南部タライ地方人口の2割)が自分たちをマデシ枠に入れられたことに反発してストライクを決行して5日目になる。すでに一般人2名と警官1名が死亡している様子。新憲法制定への意見聴衆のために南部各地に訪れている委員会にも支障をきたしている。

ことの発端は、国が保護し、保障を与えるという「マデシ・リスト」にタル族を入れたことである。タル族は以前から自分たちを「マデシ」呼ばわりされること、マデシ政党が進めている「一つのマデシ自治区」に対して強く反発していた。先月も、公務員採用時に「マデシ民族」を優遇するという法案で「マデシ民族」にタル族を含んだことを強く批判して今回と同じようなストライクを起こしている。なのに、政府はまた同じ間違いを繰り返してしまったのである。これは、政府がいかに無神経で、過去(つい先月だが)からの教訓を取り入れることができていないことを示す。

しかし、ますます多民族国家ネパールが抱える「アイデンティティ」問題が深刻化している。日本では独立国家であるネパールの国民を「ネパール人」として認識しているわけであり、「ネパール人らしい」という固定観念でみているわけであるが、ネパール国内では「ネワール人」「タル人」「シェルパ人」などと各民族としての固定観念でお互いをみていると思う。また、カーストという複雑な制度もあって、民族内や民族間でもさらにその固定観念が増す。(「単一民族」の意識が強い日本の方々にちょっと理解し難いことかも知れない。)結局は個々人が違うわけなのだが、知らず知らずにこの固定観念に頼っており、団結して何かをできる状況ではなく、いつも「こそこそ」している感じを払拭できていない。

というのに、政党などはこの団結できていないアイデンティティ問題を手だまに取り、権力を得る手段として使っている感がある。マオイスト運動を支えたのは被抑圧の少数民族アイデンティティと言えるし、マデジ人権フォラムや他のマデシ政党だってネパール南部のアイデンティティ問題を基盤に強くなってきたと思う。

そろそろ、このような各民族・カーストのアイデンティティにこだわらず、ネパール全体のことを考える政党が出てきてもいいのではないかと思うのだが、現状況を見る限りむしろ逆方向にいっている。
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